衆-運輸委員会-17号 平成09年05月28日



○細川(律)委員
 民主党の細川律夫でございます。
 先ほども今田委員の方から質問がありましたけれども、車社会におきますいわゆる交通事故、先ほどの質問は交通事故の原因究明の話が専らでございました。私は、事故が起こった場合の被害者の救済の問題について、質問をしたいというふうに思います。
 日本には自動車損害賠償責任保険、いわゆる自賠責という制度がございまして、これは自動車事故での被害者を救済するということで、世界的にも誇れる制度だというふうに思っております。こういう強制保険におきまして、国内を走っておりますすべての車について、事故が起きたときには被害者を救済という国はないのでございます。しかし残念ながら、被害者の救済の問題で、いろいろ指摘をされております。
 特に、死亡事故に関しまして、遺族の方が自賠責保険を請求をいたしましたならば、ゼロ査定、加害者が過失割合ゼロということで、一銭も保険金がもらえないという例がございます。実際に加害者におきまして過失がないということならば、それはそれで納得もいくわけでありますけれども、しかし、被害者の遺族の方が、残っている事故に遭いました事故車の損傷ぐあいを見てほしいとか、ヘルメットの破損を見てほしい、あるいは現場の説明をしたいとか、そういうようなことを申し出ても実際に見てくれない、こういう不満が大変強いし、また多いようでございます。
 私は、自賠責というのは被害者の救済のためにつくられた制度でありますから、きちんとこの制度を十分に生かせる、そういう運用もしていただかなければいけないと思うのでありますけれども、この点について運輸省はどういうように考えているか、お答えいただきたいと思います。

○荒谷政府委員
 自賠責保険は、年間百万件ほどの支払いがございまして、非常に数が多いものですから、これを迅速に処理をするということで、警察の捜査が中心になりますけれども、加えて目撃者等からの情報も活用して、迅速な損害調査をして処理をいたしております。この調査につきましては、保険の請求があってからいたします関係で、どうしても警察からの情報に頼らざるを得ないという面が多いわけでございますけれども、この損害調査のあり方につきまして、客観的で公平、公正といったことが特に求められているわけでございます。
 それで、私どもは、この調査に誤りがあったり、あるいは誤解を生ずるといったことのないように、事故の当事者、それから目撃者からの意見聴取を適時適切に行い、また、先生が今おっしゃいましたように、車の損傷の程度を見てほしい、あるいは実地調査をしてくれ、こういった要請が被害者側から出された場合には、やはりこれに対して真摯に対応するといったことも必要だというふうに思っております。こういった観点で、保険会社ですとか、自動車保険料率算定会の対応が適切なものとなるように、引き続き私どもとしても努力をしてまいりたい、このように考えてございます。

○細川(律)委員
 お聞きしますと、警察の実況見分調書が専ら使われているようであります。これはやはり刑事事件での調査でありますから、そういう意味で、特に死亡事故の場合には被害者の言い分というのが全然載らないわけでありますので、そういう点を十分考慮してひとつよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 もう一つ、保険金を請求しまして、そこで自賠責の算定、それに納得する場合はよろしいのですけれども、実際に納得できなくて、裁判になるような場合がございます。裁判になったときに、ここでもいろいろと問題があるようでございます。
 それはどういうことかといいますと、裁判というのはある一定の長い期間もかかりますから、裁判の途中で裁判官の方からいわゆる和解勧告というような、和解の話が出るわけでございます。そのときに、どうも自賠責の方が等級を余りにも形式的に適用して、なかなか互譲の精神で和解が進まない。そういうことで、結局和解不成立、そして長い長い裁判による決着になっていくということが大変多いというふうに聞いております。
 これは被害者の方からいたしましても、あるいは加害者の方からしましても、早く決着をつけたい、あるいは救済のためには早くこの問題を終わりたい、こう願っているわけでありますから、できるだけ自賠責の趣旨に沿った形で、和解にも応じていただくようなことにしていただきたいなというふうに私は思うわけでありますけれども、その点はいかがでございましょうか。

○荒谷政府委員
 訴訟になりますと、どうしても時間がかかるということで、被害者の救済という面からは、できるだけ和解で解決を図るといったことも一般的にはあるわけでございます。それで、この裁判所の和解勧告におきまして、実質的に保険会社あるいは自算会の判断が誤りである、こういう内容で和解勧告が出された場合には、これを真摯に受けとめていくべきであろうと私は考えております。
 こういった場合も含めての一般論ということでちょっと恐縮でございますが、一方で自賠責保険の支払いの公平性の保持という観点もございまして、すべての場合に裁判所の和解勧告を受け入れることは、必ずしも簡単ではないのかなという気もいたしておりますけれども、この制度の運営に当たりましては、裁判所の和解勧告ですとか判例等の動向も踏まえまして、保険の支払いのあり方について常に見直しをしていくことも必要だというふうに考えてございます。
 こうったことで、保険会社及び自算会が硬直的な態度ではなくて適切な対応をとるように、私どもといたしましても引き続き努力をしてまいりたい、このように思っておる次第でございます。

○細川(律)委員
 自賠責の立法の趣旨、被害者の救済という点から、ぜひひとつ弾力的に運用をよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 自賠責におきまして、被害者の救済という、この運用につきまして、大臣はどういうふうにお考えなのか、一言ちょっと簡単にお願いしたいと思います。

○古賀国務大臣
 今御論議いただいております自賠責保険の制度というのは、先生からお触れいただきましたけれども、大変意味のある、意義の深い制度だというふうに評価をいたしております。
 ただ、それだけに、この損害調査を含めまして、自賠責保険制度の運用については、何よりも公正公平な運用というものが求められるわけでございます。先生から今何点か具体的な御指摘をいただいたわけでございますが、そうした御指摘を踏まえまして、さらに公正公平な運用がされるように全力を挙げて指導してまいりたいと思います。

○細川(律)委員
 ありがとうございました。
 続きまして、規制緩和の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。

以下省略