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「Yahoo!ニュース オリジナル 特集」の記事が「2022年PEPジャーナリズム大賞」で特別賞を受賞しました

2022.7.22(金)

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「Yahoo!ニュース オリジナル 特集」の記事が「2022年PEPジャーナリズム大賞」で特別賞を受賞しました

Yahoo!ニュースには情報提供元から日々数多くの記事が配信され、その数は1日7500本に及びます。一方で、Yahoo!ニュースが独自に取材・編集をしたオリジナルコンテンツもあります。7月15日、Yahoo!ニュースのそんな取り組みが「PEP(政策起業家フォーラム)ジャーナリズム大賞」で、特別賞(課題発見部門)を受賞しました。

選ばれたのは、ノンフィクション作家・柳原三佳さんが昨夏に公開した記事「交通事故で息子が寝たきりに――介護を続ける親の苦悩と、『親なき後』への不安」(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)です。Yahoo!ニュース オリジナル 特集の記事の受賞は2年連続です。

Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める柳原さんが取材したのは、交通事故で重い障害を背負っている子どもとその親たちです。

日本各地で連日起きる交通事故、そのうち年間1700人程度が「重度後遺障害者」の認定をされます。元気だった小、中学生が事故で寝たきり、会話が困難な状況に陥っているケースも多く、当事者が生きていくには家族の介護が欠かせません。10年、20年と介護を続けるうち、親はこんな不安に駆られると記事にはあります。「自分の死後、子どもはどうなるのだろう……」。そうした親の苦悩や不安に耳を傾け、課題に迫ったのが今回の特集記事です。

柳原三佳さん(右)とPEPジャーナリズム大賞審査委員長の林香里さん(左)

柳原三佳さん(右)とPEPジャーナリズム大賞審査委員長の林香里さん(左)

バイクに乗るのが好きだった柳原さん。しかし、過去に「2週間のうちに友人2人をバイク事故で失った」経験から、交通事故の被害者や家族の取材を30年にわたって続けてきました。交通事故で人生が一変した当事者と家族に出会い、警察や損害保険企業、裁判所に取材するたび、こう返されたことに怒りを覚えてきたといいます。

「……個別の事案には答えられない」

交通事故はすべてが「個別の事案」のはず。それぞれの事実を掘り下げるからこそ、社会が抱える課題を明らかにできるのに、それができないなんておかしい――。

そんな課題意識が今回の受賞作にも込められています。賞の審査委員長を務めた林香里さん(東京大学大学院情報学環教授)は、こうコメントを寄せています。

「交通事故に遭った子どもの介護をする家族の苦悩に光を当て、さらに受け皿となる障害者施設が絶対的に不足しているこという『課題』を明るみに出した」

Yahoo!ニュース オリジナル 特集で編集を担当したのは一原知之。こう話しました。

「私も柳原さんと一緒に事故のご家族を取材しました。実名で取材に応じてくださったご家族に感謝しつつ、不安、悲しみをどう伝えるかにこだわりました。今回、そういった点が伝わり、課題を掘り下げたことが評価されたのだとしたら、励みになります」

Yahoo!ニュースでは、今後もさまざまなテーマでオリジナルコンテンツを発表していきます。ご期待ください。