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対面の高速道路で、また重大事故発生 死亡事故率は4車線以上の区間の”約2倍”というデータも #エキスパートトピ

2025.7.15(火)

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対面の高速道路で、また重大事故発生 死亡事故率は4車線以上の区間の”約2倍”というデータも #エキスパートトピ

 7月14日正午過ぎ、徳島県阿波市の徳島自動車道で、トラックと高速バスが正面衝突する事故が発生しました。バスは炎上し、トラック運転手と乗客の2人が死亡、バスの運転手や他の乗客が重軽傷を負いました。現場は片側1車線の対面通行で、センターライン上にはガードレールやロープはなく、ラバーポールが等間隔に並ぶだけでした。

 ガードレールのない対面通行区間は全国各地にあり、対向車の対向車線突破による重大事故が相次いで発生しています。対面自動車道はどのくらい危険なのか、また、国の対策や注意点についてまとめました。 

ココがポイント

トラックは西、バスは東へ走行中に正面衝突した。センターライン上にはポールが等間隔に並び、ガードレールやロープはなかった

出典:徳島新聞 2025/7/14(月)

会計検査院では国土交通省や高速道路を管理している各社に対して中央分離帯の安全対策を検討するように提言

出典:JAF(日本自動車連盟)

なぜ、この事故は起こったのか、対面通行の自動車専用道路の安全対策はこのままでよいのか、そもそも、自動運転とは何のために

出典:柳原三佳 2024/12/23(月)

○分離区間の死傷事故は減少傾向だが、非分離区間では増加傾向。○暫定二車線の死亡事故率は四車線以上の区間の約2倍

出典:国土交通省

エキスパートの補足・見解

 対面の高速や自動車専用道路での痛ましい事故が相次いでいます。7月14日、徳島自動車道で発生した正面衝突事故では、中央線を突破したトラックのタイヤがバーストしたのではないかという情報も出ています。いずれにせよ、対向車にとってはとっさに避けることはできず、被害を軽減する唯一の方策といえば、やはりガードレールなどの中央分離帯で対向車の侵入を完全に防ぐしかないでしょう。

 国土交通省の調査結果によれば、暫定二車線(対面通行)の死亡事故率は、4車線以上の区間の約2倍に上るとのこと。危険性は十分認識されており、ワイヤーロープの設置など、対策が急がれています。それでも道路の構造上、設置が不可能な区間もあり、利用者としては不安しかありません。

 対面通行区間では原則的に制限速度が70km/h以下となっています。上記JAFの記事では『片側2車線以上の高速道路と同じ感覚で走っていると、制限速度を超えてしまうかもしれません。速度超過はハンドル操作のミスやスリップを引き起こす要因にもなります。(中略)スピードの出し過ぎには注意しましょう』と呼びかけています。

 まずは自身が対向車線を突破しないよう、十分な注意が必要です。