北海道ではクマとの衝突も 多発する野生動物との交通事故 警察への届けは必要? 保険はどうなる #エキスパートトピ
2025.8.31(日)
8月30日、北海道滝川市の道縦貫自動車道り線で、乗用車がクマと衝突する事故が発生し、はねられたクマが死亡しました。ドライバーや同乗者にけががなかったことは幸いでしたが、北海道内の高速道路ではクマやシカなど大型動物との接触事故は珍しくありません。
野生動物との交通事故は全国各地で頻発しており、バイクの場合は死亡事故にもつながっています。もし、道路上で動物と衝突し、負傷したり、車が破損したりしたらどうすればよいのでしょうか。
法律的な解釈と事故後の対応、自動車保険についての関連記事をまとめました。
ココがポイント
シカやクマなど大型動物との衝突事故は非常に危険で、状況によってはドライバーや同乗者が負傷する人身事故につながる恐れも
出典:JAF(日本自動車連盟)
【危険】シカが車と衝突、気づいたときには、
新東名高速で、家族6人が乗った乗用車がイノシシと衝突し、車が炎上する事故(中略)乗っていた家族は全員逃げて無事でした
野生動物には飼い主などの所有者がおらず、賠償責任を求める相手がいません(中略)接触した場合の交通事故は「物損事故」扱いに
エキスパートの補足・見解
道路上で発生する野生動物の死亡事故を「ロードキル」といいます。上記「おとなの自動車保険」には、こう記されています。
『国土交通省の「高速道路会社の落下物処理件数(令和4年度)」によると、高速道路のロードキルの件数は5.1 万件。調査で対象となった動物は、シカ、クマ、イノシシなどの大型動物、タヌキ、キツネ、イヌ、ネコなどの中型動物、鳥類などの小型動物などですが、その中で最も件数が多かったのは中型動物でした』
道路交通法第67条では、交通事故について「車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊」と記載しています。つまり、人ではない動物は「物」として区分されるため、車やバイクを運転中に野生動物と接触した場合は「物損事故」として扱われます。
動物との事故で車両が破損した場合は「車両保険」の支払い対象です。請求する際には交通事故証明書が必要になりますので、必ず警察に届け出をしてください。もちろん、運転者や同乗者がけがをした場合も、任意保険が支払われます。
これからの季節は野生動物との交通事故が増えると言われています。『動物飛び出し注意』の標識を見かけたら速度を落とし、十分に気をつけて走行してください。