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「電動アシスト自転車」が死亡事故の加害者に… 便利さの裏にひそむ危険とは #エキスパートトピ

2025.12.3(水)

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「電動アシスト自転車」が死亡事故の加害者に… 便利さの裏にひそむ危険とは #エキスパートトピ

 電動アシスト自転車による痛ましい事故の報道が相次いでいます。11月19日の夕方、熊本市で女子大学生(18歳)が運転する電動アシスト自転車が歩道のバス停にいた93歳の男性と衝突。意識不明だった男性が約2週間後に亡くなりました。また、10月には静岡で、50代の男性が運転する電動アシスト自転車が80代の女性に衝突し、女性が死亡しています。

 大変便利な電動アシスト自転車ですが、その重量やスピードといった特性が被害を大きくするという現実があります。軽い気持ちで乗らず、しっかり危険を認識する必要があるでしょう。

ココがポイント

近年、普及が進むにつれ増えているという電動アシスト自転車による事故。事故が起きた現場は自転車も走行できる歩道です。

出典:FNNプライムオンライン(フジテレビ系) 2025/12/2(火)

電動アシスト自転車による事故件数は(略)20年は2642件に倍増。自転車全体の事故が減少傾向にある中、増え続けている

出典:共同通信 2024/12/15(日)

電動アシスト自転車は、普通の自転車と比べて、車体が重く(略)バランスを崩しやすい(略)転倒時や衝突時の衝撃が大きくなり

出典:小平市

電動自転車に乗り、歩行者に衝突して死亡させたとして、重過失致死罪で在宅起訴された元大学生(略)禁錮2年、執行猶予4年

出典:カナロコ by 神奈川新聞 2018/8/27(月)

エキスパートの補足・見解

 電動アシスト自転車が世界で初めて日本で誕生したのは1993年11月。あれから32年、この便利な乗り物は私たちの暮らしにすっかり定着し、通勤・通学、こどもの送迎や買物など、便利な日常の「足」として活用している方も多いことでしょう。

 しかし、電動アシスト自転車はモーターを搭載しているため重量が重くなり、その分、万一の際は衝撃も大きくなります。

 実際に一般的な自転車と比べて事故の際は重大な結果を招いています。警察庁によると、電動アシスト自転車による事故件数は2014年に1319件でしたが、2020年は2642件に倍増し、自転車全体の事故が減少傾向にある中、増え続けているというのです。

 ちなみに、2023年の事故件数を都道府県別で見ると、大阪が1位の1813件で、2019年(326件)の約5.6倍に。次いで東京847件、神奈川822件、千葉526件、兵庫438件となっています。首都圏は歩行者と交差することが多いため、特に注意してください。

 上記、「小平市」のサイトには、電動アシスト自転車の危険性がわかりやすくまとめられています。「たかが自転車」と甘く見ず、その危険性を親子でしっかりと認識しておくことが必要です。