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『裁判長、一般道で本当にこんな実証実験できますか?』194キロ死亡事件遺族、怒りのメッセージ

2026.1.23(金)

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『裁判長、一般道で本当にこんな実証実験できますか?』194キロ死亡事件遺族、怒りのメッセージ

 昨日、福岡高裁で時速194キロ死亡事故の判決が下されました。

 判決速報については、以下の「朝日新聞」(2026.1.22)記事をご覧ください。

【時速194キロ死亡事故、二審は危険運転認めず 懲役4年6カ月判決】

 私も判決直後にコメンテーターコメントを書かせていただきましたが、一般の読者からも、すでに9000件近いコメントが寄せられています。

 一審の大分地裁は裁判員裁判でした。3人の裁判官と、一般市民から構成された6名の裁判員たちが本件について議論を重ね、時間をかけ、現行法でも十分に危険運転に問えるという判断を下したのです。それなのに福岡高裁の裁判官は土台からそれを覆しました。何のための裁判員裁判なのか、大きな疑問を感じざるを得ません。

 当時19歳だった被告は法廷で「超高速度を出すことに快楽を覚えていた」と述べました。本件を引き起こすまでにもこうした走りを繰り返していました。この車を買ってわずか40日。こうした行為で他人の命を奪うことは、はたして「過失」なのでしょうか

 一夜明け、本件のご遺族である長文恵さん(亡くなった被害者・小柳憲さんのお姉さま)から私宛にメッセージが届いていました。

 ご本人にも確認を取り、取り急ぎ、今の思いを公開させていただきます。

 会見内容、判決要旨は改めて発信する予定です。

柳原さん

 おはようございます。

 目が覚めて、「夢じゃなかった」と思いました。

 この判決を受けて暮らしていくには、私は少しでもポジティブに考えたい。ため息ばかりついてても何も変わっていかない。

「過失で起訴」と受けた3年半前と同じ、空を見上げた。その後の訴因変更、一審判決の喜びは、今となっては幻なのか……。

 悔しさは当然増している。

 制御困難な高速度を立証するためには、同型の車で、同速度の事故現場での実証実験が必要??? そんな無理な話はない。

 担当検事は、それは不可能なことだと言われた。あとは、高性能なシミュレーションを使うという話しもされたが、果たしてそれが適用されるかは疑問はある。なぜならば、今回、プロドライバーの証言すら認めなかったからである。

 このような高速度を体験できる人は限られている。一般道でこの速度で実証実験をやれると本気で裁判長は考えているのか。ここは日本だぞ、と言いたい。ならばドライバーは加害者がすべきだし、ぜひ、助手席に裁判長は座っていただきたいと思う。無理難題を突きつけられたとしかいいようがない。

 高速度を出し、目の前に危険が迫った時、ハンドルを切ったりブレーキを踏むことは道路を逸脱する可能性があり、危険運転に繋がるのでそのまま真っ直ぐ突っ込むのですよ、というメッセージをこの裁判長は国民に送ったのだ。

 194キロという速度で一般道で走ってみて欲しい。信号が見えた瞬間、そこが黄色もしくは赤である時にブレーキを踏んでみて欲しい。きちんと停止線で止まれるのか。それがなされれば、その車は制御出来てると言えるかもしれない。その走行が制御出来てるという証拠の提示も必要だと思う。

 もちろん、車の性能だけではなく、免許とって1年未満、車を買って40日という加害者の技術もそこに加えなくてはならない。どのような体感なのか、裁判長はぜひ知るべきです。