【神奈川県警・不正取り締まり】があぶり出した問題の根深さと、「餌食」にされた被害者の今後 #エキスパートトピ
2026.2.20(金)

神奈川県警第2交通機動隊が反則切符にウソの記載をし不正な交通取り締まりを繰り返していた問題。2月19日には警察庁長官が、20日には神奈川県警本部著が、会見の中でそれぞれ謝罪コメントを述べました。
県警はすでに約2700件の不正を認めて違反を取り消し、少なくとも納付済みの反則金3500万円を返還するとのことですが、調査期間外にもかなりの被害者がいる模様です。不正取り締まりの被害に遭った人々の金銭的、時間的、精神的な損害は計り知れず、反則金の返還だけでなく損害賠償についても今後大きな問題に発展するでしょう。
ココがポイント
隊員の巡査部長を中心に不適切な取り締まりが繰り返されていたとみられ、小隊ぐるみで虚偽の実況見分調書が作成された疑いもある
楠芳伸長官は(略)「取り締まりに対する国民の信頼を損ないかねない重大な事案だ」と述べ、全国の警察に指導する考えを示した
今村剛本部長(略)は「県民の信頼を大きく損ない、深くおわび申し上げる」と頭を下げた上で、相次ぐ不祥事を「重く受け止める」
一時停止をしなかった場合に適用される道路交通法違反で、福井県警が約5年間にわたり、10人に不適切な取り締まりをしていた
エキスパートの補足・見解
そもそも「交通取り締まり」の目的とは何でしょうか。各都道府県警のサイトには、『交通違反が多発している地点を公開することで、運転者に対しあらかじめ注意喚起を行い、重大交通事故の要因となる交通違反を減少させ、安全、安心な交通社会を実現することを目的とします』と書かれています。
ところが現実は、重大事故を食い止めるという大切なミッションは置き去りにされ、1件でも取り締まりの件数を増やして「評価」を得たいという警察組織の誤った「成果主義」がとんでもない犯罪行為を生んでしまいました。日ごろから交通事故の被害遺族にお話を聞いている立場としては、本当に悔しく、腹立たしい限りです。
20日の会見で神奈川県警本部長は「県民の信頼を損ない…」と述べていましたが、警察への信頼を失ったのは決して神奈川県民だけではありません。また、直接的な被害者だけに絞っても、むしろ他府県ナンバーが「餌食」になっており、被害は神奈川県外にも拡大しています。
とはいえ、今回は神奈川県警で不正が発覚しましたが、実際には他府県の警察でも同様の行為が行われています。この問題は大変根深く、うわべだけの謝罪や処分だけで済ませてはならないと強く思います。
