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【高知白バイ死亡事件】から20年 元スクールバス運転手は、なぜ実刑判決を受けたのか #エキスパートトピ

2026.3.3(火)

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高知白バイ死亡事件】から20年 元スクールバス運転手は、なぜ実刑判決を受けたのか #エキスパートトピ

 2006年3月3日、高知県吾川郡の国道56号で、中学生22名と教師3名を乗せたスクールバスと白バイが衝突。白バイに乗っていた高知県警の交通機動隊員(26)が死亡しました。

 あの事故から今日(2026年3月3日)で20年。「バスは止まっていた」と一貫して訴え続けてきたバス運転手は、なぜ実刑判決を受けたのか。そして、その供述を裏付ける多数の生徒や教師たちの証言は、なぜ無視されたのか。

 これまでの報道を振り返りながら、事故現場で、元運転手の今の思いを伺いました。

ココがポイント

偽りは述べず、真実だけを述べたんですが、「お前は反省がない」と言われ、結局、禁錮1年4か月の実刑判決になってしまいました

出典:柳原三佳 2025/6/30(月)

高知白バイ衝突死(35)司法の厚い壁…最高裁も再審認めず

バスに乗っていた中学生(略)「中央分離帯でずっと待っていて、そろそろいけるかなって思っていたところに白バイが当たった」

出典:ABEMA TIMES 2017/3/4(土)

このままでは、バスは動いていなかったと法廷で証言してくれた(乗客の)生徒さんたちが偽証していたことになる。

出典:週刊金曜日オンライン 2015/2/19(木)

エキスパートの補足・見解

 今日、事故発生から20年目を迎えた高知県の現場を、元運転手の片岡晴彦さんと共に訪れました。片岡さんはこの事故で亡くなった白バイ隊員に献花し、静かな口調で振り返りました。

 あの日、仁淀川中学校の卒業遠足で生徒22名と教員3名が乗っていたスクールバスが、国道沿いのレストランの駐車場から右折するかたちで交差点に出たところ、右側から走行してきた白バイが衝突しました。運転手の片岡さんはじめ、搭乗していた生徒や教師たちは、バスは停止していたと証言していましたが、事故から約半年後、片岡さんが警察から見せられたのは、黒々としたバスのブレーキ痕の写真でした。ちなみに、事故翌日、片岡さんの奥さんや知人が現場を訪れたとき、現場にブレーキの痕跡は一切残っていませんでした。

 では、あの写真は、いつ、誰が、どこで撮影したものなのか? 真相は闇の中に閉ざされたまま、片岡さんは1年4ヶ月収監され、運転手という仕事を失いました。

 本件についてはこれまで繰り返し報道されてきましたが、20年という長い時間を経て、記憶が薄れつつあることは否めません。しかし、片岡さんはあきらめてはいません。真実が明らかになることをあらためて願うばかりです。