危険、ダサい、自己満足… 悪質な不正改造で死亡事故も 6月は「不正改造車」の排除月間 #エキスパートトピ
2025.6.10(月)
車は「道路運送車両法」によって安全の確保や環境保全上の技術基準が定められており「保安基準」に適合していなければ公道を走行することはできない。しかし、実際にはこの基準に違反した車両による重大事故が相次いでいる。
6月は『不正改造車を排除する運動』の強化月間だ。不正改造や整備不良車による重大事故を食い止めるため、国土交通省では各省庁、団体と連携し、全国各地で啓蒙活動や街頭検査などをおこなっている。
過去に発生した不正改造や違法改造車による死亡事故、重傷事故を取り上げながら、その危険性に改めて目を向けたい。
ココがポイント
大型車のタイヤ脱落事故が多発していることを受け、今回初めてトラックなどを対象としたタイヤのナットの締め直し作業が実施
札幌・西区タイヤ脱輪事故 執行猶予付き判決 重体の女の子の父親「納得できない」
6月は、「不正改造車を排除する運動」の強化月間です! ~車の不正改造は、事故や環境悪化を引き起こす犯罪です~
車検時には山のある別のタイヤに履き替え、合格した後は再び元のタイヤに履き替えるという悪質な偽装工作をおこなっていた
エキスパートの補足・見解
不正改造車による重大事故が後を絶ちません。上記のとおり札幌で発生したタイヤ脱落事故では歩道を歩いていた4歳の女の子に外れたタイヤが直撃し、1年7カ月たった今も意識不明の状態が続いています。
また茨城では車検合格後、あえて摩耗したタイヤに履き替えた大型トレーラーが、雨の中スピードを出しすぎ、対向車と衝突して横転。偶然通りかかった軽自動車を押しつぶし、運転していた女性を死亡させました。
不正改造は犯罪です。国交省では今年の「重点排除項目」として下記を挙げています。
(1)タイヤ及びホイールの車体外へのはみ出し
(2)灯光の色や点灯状態が不適切な灯火器及び回転灯等の取付け並びに保安基準上、装備が義務化されている灯火器の取外し
(3)前面ガラス並びに運転者席及び助手席の窓ガラスへの着色フィルム等の貼付
(4)マフラーの切断・取外し及び騒音低減機構を容易に取外せる等の基準不適合マフラーの装着
(5)大型貨物自動車の速度抑制装置の取外し、解除又は不正な改造、変更等
不正改造車を発見した際の通報先として、国土交通省では『不正改造車・迷惑黒煙車情報提供窓口』を設けています。事故を未然に防ぐためぜひ活用してください。