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夫の運転ミスで助手席の妻が死傷… 相次ぐ家族内事故、刑事罰はどうなる? 対人保険はおりるの? #エキスパートトピ

2025.7.3(木)

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夫の運転ミスで助手席の妻が死傷… 相次ぐ家族内事故、刑事罰はどうなる? 対人保険はおりるの? #エキスパートトピ

『高齢の夫が運転を誤り、助手席の妻が死亡』また、『親がわき見運転をして同乗の子どもが死亡』といった痛ましい事故の報道が相次いでいる。

 自身の過失で、最愛の大切な家族に被害を与えてしまうということ、それは大変辛く、苦しい出来事だが、ハンドルを握り、その車に家族を乗せる以上、身内に対する「加害者」にもなりうるということを常に忘れてはならない。

 では、万一のとき、運転者はどのような責任を負うのか。任意の対賠償保険は支払いの対象になるのか。また、気をつけるべきことはなにか? などについて、まとめてみた。

ココがポイント

91歳運転の車が店舗に衝突 助手席の女性死亡 アクセルとブレーキ踏み間違えか

80歳の男性が運転する乗用車が(中略)コンクリート壁に衝突する事故があり、助手席に乗っていた81歳の妻が死亡

出典:ぎふチャン|岐阜放送公式サイト 2025/3/18(火)

対向車線を走っていた軽乗用車と貨物自動車に相次いで衝突し、乗用車の助手席にいた妻(中略)を死亡させたほか、5人にけがを

出典:NHK 2025/6/18(水)

自分の過失で交通事故を起こし、万一、同乗中の家族が死傷した場合、「家族」だからといって見逃されることはありません。

出典:柳原三佳 2024/8/31(土)

エキスパートの補足・見解

 買い物や学校への送迎、ドライブ、通院など、マイカーに家族を乗せ、運転している人はたくさんいらっしゃることでしょう。しかし、ハンドルを握るということは、ある日突然、大切な家族に被害を与える「加害者」にもなりうるということです。長年連れ添った伴侶が、また、最愛のわが子が、自身の運転ミスによって死傷する……、想像するだけで苦しくなりますが、こうした事故は多数発生しています。

 万一、自分の過失で交通事故を起こし、同乗中の家族が死傷した場合、「家族」だからといって不問に付されるわけではありません。運転者に対しては、法律にのっとって「過失運転致死傷罪」や「危険運転致死傷罪」を視野に捜査が進められ、刑事罰が下されます。慎重な運転を心がけることはもちろんですが、家族を守るためにも、日ごろからシートベルトやチャイルドシートの着用を徹底してください。

 ちなみに、任意の対人賠償保険は「家族以外の他人」が補償対象ですので、記名保険者(契約者)や、その家族(父母、配偶者、子ども)の死傷事故については補償対象外です。同乗する家族のケガなどは「人身傷害補償保険」で補償されますので、万一に備えて契約内容を確認しておくことが大切です。