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「虚勢、見栄張り、身の程知らず…」10代・初心者ドライバーにありがちな危うさと、同乗者のリスク #エキスパートトピ

2025.10.30(木)

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「虚勢、見栄張り、身の程知らず…」10代・初心者ドライバーにありがちな危うさと、同乗者のリスク #エキスパートトピ

 10月は全国各地で10代の若者が同乗中に死傷する重大事故が相次ぎました。3日には三重県で男女5人が死亡。乗車定員4人の軽乗用車に6人乗車していたことがわかっています。また、26日の朝には滋賀県で20歳の男性が運転する軽乗用車が電柱に衝突し、高校生と大学生の女性が死亡。同じ日の夕方には、千葉県でも10代の若者3人が乗る軽乗用車が電柱に衝突。後部座席に乗っていた女性が死亡しています。

 若年ドライバーの中には、運転技術が未熟にもかかわらず友人を乗せたがる人がいます。同乗者の立場からその危険性を考えます。

ココがポイント

10代の男女3人が乗る軽乗用車が電柱に衝突する事故があり、後部座席に乗っていた女性が死亡しました

出典:FNNプライムオンライン 2025/10/27(月)

高齢ドライバーの交通事故が目立っているが、実は10万人あたりでみた事故発生率は10代が最多で、20代前半がそれに続く

出典:産経新聞 2025/10/18(土)

軽乗用車を運転して単独事故を起こし同乗の10代男女3人を死亡させたとして(略)懲役8年(求刑懲役12年)の判決を言い渡し

出典:産経新聞:産経ニュース 2023/12/8(金)

カリフォルニア州の道交法では、『初心者ドライバーは20歳以下の同乗者を乗せてはいけない』といった(略)規制を設けています

出典:柳原三佳 2021/5/10(月)

エキスパートの補足・見解

 高齢者による交通事故のニュースがたびたび報じられますが、事故率が最も高いのは免許取り立ての16~19歳です。上記『産経新聞』(2025.10.18)にもあるとおり、免許保有者10万人あたりに換算した事故件数を年齢別にみると、令和6年では、16~19歳が976件、20代前半が551件、85歳以上が496件、80代前半が416件、20代後半が399件の順で多かったことがわかっています(警察庁調べ)。

 特徴的なのは、10代が起こす事故の多くは「スピードの出しすぎ」ということです。事故率が最も低い40代後半と比べると20倍超にものぼっており、免許取り立ての一部の若者がいかに高速度で危険な運転をしがちであるかがよくわかります。

 10月に発生した複数の死傷事故、そして2年前、10代の女性に懲役8年が下されたケースでは、いずれも同乗者が亡くなっています。初心者の若年者が運転する車は、同乗者が命を落としたり、重い障害を負ったりするリスクがあることを十分認識しておく必要があります。これからの時期は進路が決まり免許を取得する人が増えますが、初心者からドライブに誘われても、運転技術が未熟なうちは断る勇気を持つことが大切です。