’99. 2. 5
告発ルポ第5弾  「ロサンゼルス市警交通捜査密着レポート」C

飲酒に厳罰主義 死亡ひき逃げなら懲役20年
日本では、飲酒運転で死亡事故を起こしても、他の交通事故と同様に「過失致死罪」として処理されるが、アメリカ・カリフォルニア州では、「殺人」と同じく重罪に問われるという。最近は日本でも、「飲酒運転は過失ではなく故意ではないか」と主張し、アメリカ並みにもっと重くすべきだという声も高まっている。ロス市警察で飲酒運転取り締りの事態を取材した。

’99 . 1.22
告発ルポ第5弾 「ロサンゼルス市警交通捜査密着レポート」B

元検視局長トーマス野口氏が語る「検視官が来るまで現場にさわるな!」
死亡事故や重傷事故で被害者が供述できないとき、その事故はときとして「死人に口なし」的な処理をされてしまうことがある。アメリカ・ロサンゼルスではそうした事態を防ぎ、事実を明らかにするため、コロナー(検視官)と呼ばれるエキスパートが、警察官より先に現場を徹底的に検証している。交通事故におけるコロナーの役割とはどのようなものなのか、元検視局長のトーマス野口氏に話を聞いた。

’99. 1. 15
告発ルポ第5弾  「ロサンゼルス市警交通捜査密着レポート」A

証言をしてそのまま調書にとる徹底した「実況見分」
ずさんな捜査、事実確認、調書の捏造……。今、日本全国で交通事故捜査のあり方を問う声が高まっている。しかし、実況見分調書すら見ることができない当事者にとって、真実の追求は極めて困難な状況だ。事故直後から調書を13$で開示しているアメリカ・ロサンゼルスでは、どのような実況見分が行われているのか。

’99. 1. 1-8
告発ルポ第5弾  「ロサンゼルス市警交通捜査密着レポート」@

13$で調書を開示する「ロス市警哲学」
交通事故の被害者や遺族は、事故の「真実」を知りたいと切望しながらも加害者の刑事処分が決まるまで、実況見分調書などの調書を見ることはできない。日本ではなぜ交通事故の調書をもっと早く開示することができないのか。事故直後から調書を開示しているアメリカ・ロサンゼルスの交通捜査や情報開示の実態を取材した。

’98. 11.6
告発ルポ第4弾  「これでいいのか交通行政」C

「なぜ起こったのか?」が事故対策の根本だ/視界を覆っていたガードレールの恐怖
現在の交通事故処理は、基本的に運転者が「被害者」となり、過失割合についても、当事者同士で100%を二分するというパターンが一般的である。しかし本来は、「なぜそこで事故が起こったのか?」という根本的な原因をもう一歩踏み込んで分析し、もし道路環境にも問題が認められる場合は、積極的に改善していく必要があるのではないだろうか。構造的な交通事故を防止するために、今、さまざまな取り組みが行われている。

’98. 10.16
告発ルポ第4弾  「これでいいのか交通行政」B

暴走族排除用「ストップアイ」が招く転倒事故
「危険」を承知の「安全対策」は許されるのか
東京の有明埠頭でバイクの青年が転倒。前から走ってきた大型トレーラーにひかれ死亡した。警察は「ローリング(暴走)族の無謀運転による自損事故」として処理したが、亡くなった青年はローリング族ではなかった。しかも、現場の交差点には、暴走族を排除するための障害物として、無数の「ストップアイ」が埋め込まれていたのだ。遺族は現在、道路管理である東京都の責任を問う裁判を起こしているが、行政の暴走族対策は、本当にこれしかなかったのか。

’98. 10.9
告発ルポ第4弾  「これでいいのか交通行政」A

「時差式信号」が事故を生む/24年間も放置していた神奈川県警の「罪」
交差点で右折しようとして、対面信号が赤になっても対向車が止まらない……運転者にとって「恐怖」以外の何ものでもないだろう。横須賀市の「時差式信号」交差点で死亡事故が起こったが、神奈川県警は、警察庁がその危険性を指摘していたにもかかわらず、24年間も放置してきた。事故を予測できながら、なぜ未然に防げなかったのか。この事故をきっかけに、神奈川県の弁護士や学者、市民団体などが、近く「交通行政市民オンブズマン」を設立する。

’98.10 .2
告発ルポ第4弾  「これでいいのか交通行政」@

分離信号はなぜできない/歩行者青信号での巻き込み事故死は「構造死」だ
6年前、登校中の小学生が青信号で横断道路を横断中、同じく青信号で左折してきたダンプカーでひかれて即死した。「なぜ、青信号を守っていた子供が殺されなければならないのか」。その疑問を抱いた両親は、車と歩行者の「分離信号」普及運動とともに、東京都の管理責任を問う裁判を起こした。行政は「人中心の道路政策」を掲げているが、弱者が安心して歩ける道路は本当に実現するのか。今シリーズでは、事故減少のために交通環境の改善を訴える人々を追う。

’98. 5. 8-15
告発ルポ第3弾  「これでいいのか交通捜査」番外編

警察調書を閲覧する方法
本誌の告発ルポ「これでいいのか交通捜査」(3月13日号〜4月17日号)では、警察が作成した実況見分調書が事故の当事者に開示されないことから発生するさまざまな問題を取り上げた。読者からは「実況見分調書の早期開示」を求める声とともに「確定掲示記録の閲覧」を積極的に行うべきだという提言も多い。今回は掲示記録の閲覧方法を紹介する。

’98. 4.17
告発ルポ第3弾  「これでいいのか交通捜査」E(最終回)

国家賠償法で警察を訴える
一度警察の手によって書き込まれると、れっきとした「公文書」として独り歩きしてしまう実況見分調書。その内容は、当事者に公開されないまま、刑事裁判の判断材料となり、自賠責の査定にも大きな影響を及ぼしていく。なぜ交通事故の調書は公開されないのか。「警察の捜査は違法だった」として、国家賠償法で警察を訴えている被害者のケースを取り上げ、交通捜査はどうあるべきかを考える。

’98. 4 .10
告発ルポ第3弾  「これでいいのか交通捜査」D

法廷に持ち込んだ「証拠のバイク」
被害者が死亡や重傷の場合、現場検証に立ち会えるのは当然加害者のみである。しかし、一方の言い分だけで作成された実況見分調書には、加害者の自己防衛本能が働くためか、問題が少なくない。当事者の記憶に基づいた調書作成方法は、このままでよいのか。また、調書の矛盾に気づいてから、「真実」を追求するためにはいったいどうすればよいのか。一審で敗訴し、現在、高裁で民事裁判を闘っている遺族らの訴えをリポートする。

’98. 4. 3
告発ルポ第3弾  「これでいいのか交通捜査」C

警察捜査に挑んだ遺族の執念
「事故の原因はバイクのスピード出しすぎと信号無視」。警察も、損保会社も、そして弁護士も、すべてが声をそろえてそう言った。しかし、両親は納得できなかった。「慎重な息子が信号無視などするはずがない」。その一念で両親は独自に「捜査」し、さまざまな新事実を発見した。警察の初動捜査は、どこまで信頼できるのか。ある遺族の二年間を追った。

’98. 3.27
告発ルポ第3弾  「これでいいのか交通捜査」B

供述調書を捏造した警察
「プライバシー保護」という名のもとに、事件が片づくまで見ることができない実況見分調書。特に、加害者側が少年の場合、被害者は真実を知るために多大な苦労を強いられる。交通事故の調書は本当に正確に書かれているのか、また、その内容をもっと早い時期にチェックする方法はないのか?警察に、事実とまったく異なる不利な調書を捏造された被害者の事例を追った。

’98. 3.20
告発ルポ第3弾  「これでいいのか交通捜査」A

ねじ曲がった事故の状況
2年半前、横断歩道を歩いていた小学1年生が乗用車にはねられ死亡した。ところが、加害者の刑事処分が終わって、ようやく刑事記録を閲覧することができた遺族は、この事故は自分たちが認識していた事実とまったく違う内容で送検されていたことを知った。なぜ、警察は何も教えてくれないのか。なぜ、実況見分調書を早い時期に見ることができないのか……。遺族の切実な訴えをリポートする。

’98. 3.13
告発ルポ第3弾  「これでいいのか交通捜査」@

警察調書は、なぜ公開されない
本誌の告発連載ルポ「こんな自賠責保険はいらない」(97年5〜6月)、「これでいいのか自動車保険」(97年9〜10月)で取り上げてきた交通事故遺族や被害者たちの訴えは、年明け早々、ひとつの成果を生んだ。運輸省が、自算会に対して調査方法の改善指導に動き出したのだ。しかし、警察の協力なしに、不正な事故調査は可能なのか、実況見分調査は開示されないが、問題はないのか。第3弾では、交通事故の「調査」や「捜査」を取り巻く問題にメスを入れる。

’97.10.24
告発ルポ第2弾 (最終回) 「これでいいのか自動車保険」D

「自損事故」にも加害者/運輸省の通達だけでは何も変わらない
本誌の連載が火をつけた自動車保険の問題で、運輸省は、事実上、自動車損害賠償責任(自賠責)保険の査定を行っている自動車保険料率算定会(自算会)に改善策を講じるよう通達を出した。行政がようやく重い腰を上げたかたちだが、自算会や損保会社が対応を変えればすむという問題ではない。運輸省の姿勢こそ問われているのだ。

’97 10.17
告発ルポ第2弾  「これでいいのか自動車保険」C

尾行される被害者/病状は本物か、日常生活を調べる損保会社
交通事故に遭い、後遺障害に苦しむばかりか、損保会社の調査員に尾行される被害者が後を絶たない。「むち打ち症」など見えにくい痛みに査定は厳しく、本当に障害があるかどうか、疑いの目にさらされるのだ。また、損保業界には「マダム症候群」という言葉もあり、中高年の女性の後遺障害は徹底的にチェックされる。更年期障害と紛らわしいというのだが……。

’97. 10.10
告発ルポ第2弾  「これでいいのか自動車保険」B

被害者が「被告」になる!!
狙いは保険金の支払額の抑制か/被害者を提訴する損保会社
ある日突然、交通事故の被害者になったばかりか、逆に加害者から訴訟を起こされてしまう……。そんな不可思議なことが全国各地で起こっている。その裏には、保険金の支払い額を抑えたい加害者側の損保会社の思惑もある。自動車損害賠償責任(自賠責)保険から十分な補償を受けられないまま、被告として法廷に立たされる被害者の苦悩をリポートする。

’97. 10. 3
告発ルポ第2弾  「これでいいのか自動車保険」A

労災並みの温かさを!!苦闘10年、後遺障害等級を3回変えさせた被害者
自動車損害賠償責任(自賠責)保険の問題でいちばん多いのが後遺障害の認定をめぐるトラブルだ。交通事故でひどい怪我を負っても、自賠責がそれを認めようとしないケースは無数にある。とりわけ、外からは見えにくい「痛み」や「しびれ」など神経系の障害には査定は厳しい。損保機構の巨大組織を相手に、後遺障害の等級を3回も変えさせた被害者の10年以上にわたる戦いを紹介する。

’97. 9.26
告発ルポ第2弾  「これでいいのか自動車保険」@

「人助け」が罪になる!?死亡保険金ゼロの査定を覆した業者の悲劇
今春連載した告発ルポ「こんな自賠責ならいらない」(5月2日号から6月6日号まで5回)は大反響を呼び、今も自動車損害賠償責任(自賠責)保険で理不尽な査定をされた被害者からの怒りの声が編集部に寄せられている。と同時に、裁判などで闘っている人々や損保会社などの内部関係者からも貴重な情報が届いている。第2弾は、自賠責だけでなく任意保険まで視野に入れて、はたして、いざというとき頼りになるのか、自動車保険の闇に迫っていきたい。

’97. 6.13
本誌連載が国会を動かす

大臣も平謝りした自賠責の冷たい運用

’97. 6. 6
告発連載ルポ 最終回「こんな自賠責保険ならいらない」D

調査に反映する損保会社の儲け主義
被害者救済の精神に返り不平な査定システムを
「自動車損害賠償責任(自賠責)保険は、本当に被害者の救済に役立っているのか」をテーマにした連載は、開始以来、読者からの反響がすさまじく、自賠責の判断に納得できず裁判で闘っている被害者や、自分自身でも自賠責の運用に疑問を抱く保険業界関係者などから多くの手紙や電話が寄せられた。最終回では、こうした意見や提言をまとめながら、「自賠責保険はどうあるべきか」前向きに考えてみたい。

’97. 5.30
告発連載ルポ 「こんな自賠責保険ならいらない」C

愛娘をはねた同型車で執念の現場実験/警察も損保会社もあてにできない
自動車損害賠償責任(自賠責)保険は、交通事故の被害者救済を目的にした強制保険でありながら、実際には加害者が「無責」(全く過失がない)と判断されて加害者への保険金支払いがゼロになったり、後遺障害の等級を厳しく査定されたりして、逆に被害者を苦しめている例も多いことを前回まで明らかにしてきた。万が一、事故に遭いながら理不尽な対応をされたとき、被害者は泣き寝入りするしかないのか。闘ってきた人々の体験を報告する。

’97. 5.23
告発連載ルポ 「こんな自賠責保険ならいらない」B

古い基準で厳しく査定される後遺障害/見えない「痛み」は泣き寝入りか
交通事故で傷を負い、元の健康体に戻れず長い間苦しんでいるのに、自動車損害賠償責任(自賠責)保険からは後遺障害保険金が1円も支払われない……ここ数年、こんなトラブルが続出している。一般に自賠責の後遺障害の査定は厳しいといわれるが、とりわけ外から見えにくい「痛み」や「しびれ」など神経系の障害にその傾向が強い。何を根拠に後遺障害の有無や軽重を判断しているのか、その実態に迫る。

’97. 5. 9-16
告発連載ルポ 「こんな自賠責保険ならいらない」A

何を根拠に死んだ被害者に100%の過失/裁判でも報われぬ遺族の無念
前回、自動車損害賠償責任(自賠責)保険は、被害者の救済を目的にしているのに、被害者の過失があったとして保険金がまったく支払われない例が多いことを紹介した。しかも死亡事故で、その割合が異常に高くなる。「死人に口なし」で、生き残った加害者に有利な判断を下す例が多いからだ。なぜ、そんなことがまかり通っているのか。保険金の支払額を決める自動車保険率算定会(自算会)の内部マニュアルをもとに事故調査の実態に迫る。

’97. 5. 2
告発連載ルポ 「こんな自賠責保険ならいらない」@

「死人に口なし」か、飲酒ひき逃げでも死亡保険金ゼロの怪 飲酒運転の車にひき逃げされて死んでも保険金が1円も出ない……。そんな奇妙なことが自動車損害賠償責任(自賠責)保険でまかりとおっている。被害者の救済を目的にすべての車に加入が義務づけられた「強制保険」なのに、保険金が支払われなかったり、カットされたりする例が非常に多いのだ。5月1日から大幅な黒字を理由に保険料が平均で7.7%引き下げられる。いったい、万が一のとき、自賠責は本当に頼りになるのか。


© 柳原 三佳