ジャーナリスト・ノンフィクション作家 柳原三佳オフィシャルサイトHP

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愛息に種痘を試し、感染症から藩民救った幕末の医師

『開成をつくった男、佐野鼎』を辿る旅(第36回)

2020.4.14(火)柳原 三佳

緒方洪庵が江戸後期に大坂・船場に開いた私塾「適塾」(筆者撮影)
緒方洪庵が江戸後期に大坂・船場に開いた私塾「適塾」(筆者撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中、国から「接触機会8割削減」という目標が発表されました。

 あと1カ月、自宅の中でいかに時間を過ごすか・・・、不安を感じながら、いろいろと計画を立てている方も多いことでしょう。

 そんな中、TBSは人気ドラマ『JIN-仁-』の再編集版を、今月18日から3週連続で放送することを発表しました。

(参考)『JIN-仁-』大沢たかお呼びかけ「神は乗り越えられる試練しか与えない(4.11/オリコンニュース)

 TBSのサイトからこのドラマのあらすじを一部抜粋します。

『突如、幕末へタイムスリップした現代医・南方仁。麻疹、コレラ、梅毒など、江戸の世に巣食う恐るべき病やケガに、現代の医療知識を武器に立ち向かう!!』

 タイムスリップ・・・、現実にはあり得ないストーリーですが、ドラマには佐久間象山、緒方洪庵、松本良順、勝海舟、坂本龍馬、近藤勇などなど、当時活躍した実在の人物が続々と登場します。

 そして、大沢たかお演じる主人公「仁先生」の魅力が、CGで再現された江戸の町のリアルな風景や時代考証によってさらに引き立てられ、自分自身が幕末にタイムスリップしたように引き込まれていく・・・、そんなドラマです。

 何より、幕末の医師たちが、目に見えない感染症に向き合い、命を懸けて闘うシーンは、今、まさに新型コロナウイルスの脅威に直面している私たちに新たな勇気や感動を与えてくれそうな気がします。

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【JBPress(連載記事)はこちら】
(第36回)愛息に種痘を試し、感染症から藩民救った幕末の医師

佐野鼎

【連載】

(第1回)昔は男女共学だった開成高校、知られざる設立物語

(第2回)NHK『いだてん』も妄信、勝海舟の「咸臨丸神話」

(第3回)子孫が米国で痛感、幕末「遣米使節団」の偉業

(第4回)今年も東大合格者数首位の開成、創始者もすごかった

(第5回)米国で博物館初体験、遣米使節が驚いた「人の干物」

(第6回)孝明天皇は6度も改元、幕末動乱期の「元号」事情

(第7回)日米友好の象徴「ワシントンの桜」、もう一つの物語

(第8回)佐野鼎も嫌気がさした? 長州閥の利益誘導体質

(第9回)日本初の「株式会社」、誰がつくった?

(第10回)幕末のサムライ、ハワイで初めて「馬車」を見る

(第11回)これが幕末のサムライが使ったパスポート第一号だ!

(第12回)幕末の「ハワイレポート」、検証したら完璧だった

(第13回)NHKが「誤解与えた」咸臨丸神話、その後の顛末

(第14回)151年前の冤罪事件、小栗上野介・終焉の地訪問記

(第15回)加賀藩の採用候補に挙がっていた佐野鼎と大村益次郎

(第16回)幕末の武士が灼熱のパナマで知った氷入り葡萄酒の味

(第17回)遣米使節団に随行、俳人・加藤素毛が現地で詠んだ句

(第18回)江戸時代のパワハラ、下級従者が残した上司批判文

(第19回)「勝海舟記念館」開館! 日記に残る佐野と勝の接点

(第20回)米国女性から苦情!? 咸臨丸が用意した即席野外風呂

(第21回)江戸時代の算学は過酷な自然災害との格闘で発達した

(第22回)「小判流出を止めよ」、幕府が遣米使節に下した密命

(第23回)幕末、武士はいかにして英語をマスターしたのか?

(第24回)幕末に水洗トイレ初体験!驚き綴ったサムライの日記

(第25回)天狗党に武士の情けをかけた佐野鼎とひとつの「謎」

(第26回)幕末、アメリカの障害者教育に心打たれた日本人

(第27回)日本人の大航海、160年前の咸臨丸から始まった

(第28回)幕末、遣米使節が視察した東大設立の原点

(第29回)明治初期、中国経由の伝染病が起こしたパンデミック

(第30回)幕末の侍が経験した「病と隣り合わせ」の決死の船旅

(第31回)幕末、感染症に「隔離」政策で挑んだ医師・関寛斎

(第32回)「黄熱病」の死体を運び続けたアメリカの大富豪

(第33回)幕末の日本も経験した「大地震後のパンデミック」

(第34回)セントラル・パークの「野戦病院化」を予測した武士